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「光悦・宗達・素庵」周辺(二) [光悦・宗達・素庵]

その一 「四季草花下絵古今集和歌巻」周辺(A-1図)

竹図(拡大図).jpg

A-1図(A図の一部拡大図) 「我上に(わがうへに) 露そ(露ぞ) をく那類(なる)
天河(あまの川) とわたる舟濃(の)」(「漢字=男文字・万葉仮名」と「仮名文字=女文字」との造形的な表記、下記の「参考(「嵯峨本伊勢物語」)・(「本阿弥切)」」と比較参照)

(周辺メモ)

https://wakastream.jp/article/10000201mJpf

「わが上に露ぞおくなる天の河とわたる舟の櫂のしづくか」
(『伊勢物語(五九段)』・『古今集』863)

歌意=私の上に露が置くようだ。この命の水は天の河の渡し場をわたる舟を漕ぐ櫂のしずくだろうか。

観賞=ある男が都の生活をどうだろうかと思ったのであろうか、東山(加茂川の東の丘陵地帯)に家を探した。そうして山里に暮らして、ひどい病気にかかり死んだような状態になってしまったが、顔に水がかかり息を吹き返した。歌は息を吹き返した男が詠んだ。
この歌は『古今集』雑上に読み人しらずの歌として収録されている。同じ段の「住みわびぬ今はかぎりと山里に身をかくすべき宿求めてむ」の歌から男は在原業平として描かれているのだろう。高貴な生まれの貴族で風流人で好色といわれた業平ではあるが、厭世的な神経症の姿は実際に持っていた一面なのかもしれない。
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「光悦・宗達・素庵」周辺(一) [光悦・宗達・素庵]

その一 「四季草花下絵古今集和歌巻)」周辺(A図)

「近世初頭に現れた本阿弥光悦書・俵屋宗達金銀泥絵の書画作品のなかで、ひと際、鮮やかな光彩を放つ一群がある。一般に四大絵巻と呼ばれる以下の和歌巻である。」(『俵屋宗達 金銀の<かざり>の系譜(玉蟲敏子著)』)

① 四季草花下絵古今集和歌巻(一巻・畠山記念館蔵)
②  鶴下絵三十六歌仙和歌巻(一巻・京都国立博物館蔵)
③ 鹿下絵新古今集和歌巻(MOA美術館・シアトル美術館ほか諸家分蔵)
④  蓮下絵百人一首和歌巻(焼失を免れた断簡が東京国立博物館ほか諸家分蔵)

(周辺メモ・仮説) → 『嵯峨野名月記(辻邦生著)』など

プロデューサー(producer) → 本阿弥光悦・角倉素庵
ディレクター(director) →  本阿弥光悦
クリエイター(creator) →  (書)本阿弥光悦・角倉素庵
              (画)俵屋宗達ほか

その一 「四季草花下絵古今集和歌巻)」周辺(A図)

【「四季草花下絵古今集和歌巻」→ 一巻 紙本金銀泥 三三・五×九一八・七㎝ 印章「伊年」朱文円印 重要文化財 畠山記念館蔵 】(『琳派一(紫紅社)』)

草花下絵古今和歌巻・竹.jpg

A図=部分図(巻頭・「竹」図)・和歌(『古今集』巻一七・雑上)
863 わがうへに 露ぞおくなる あまの川 と(門)わたる舟の かひのしづくか
864 思ふどち まとゐせる夜は 唐錦 たたまくをしき 物にぞありける
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